Introduction

トレッキング


世界各国で5000m級の登山を経験してきた松本紀彦は、世界随一の山岳大陸でもある南米でも登山に挑戦をしました。

南半球に位置する南米の登山シーズンは12月から2月で、5月~8月の山は完全にシーズンオフ。 今回の撮影時期と登山シーズンにはズレがあり、登山+撮影には非常に厳しい環境での挑戦となりました。 トレッキングをしたのは右記の3箇所。いずれも簡単なコースはありませんが、南米では人気の トレッキングポイントで、天候などに恵まれれば絶景も望めます。

5月後半に撮影した「トーレス・デル・パイネ国立公園」でのトレッキングでは、パイネ国立公園の玄関口、プエルトナタレスで、レストランはおろか、宿も空いておらず、現地調達予定のキャンプ用品や水や食糧が揃わない不十分な準備でのトッレッキングは過酷を極めました。

山では常に吹雪でホワイトアウト(視界が白一色となり、方向感覚を失うこと)状態。聾者の松本紀彦は 耳が聞こえないので、同行するスタッフの合図が聞こえなかったり、自分にトラブルがあった時にも 声を上げて助けを呼ぶことができません。 目でよく観察し、感じられるすべての感覚を研ぎ澄まし、注意深く行動しなければなりません。 心身ともに、限界まで追い込まれたハードな挑戦になりました。

コミュニケーション


「国変われば、言語も変わる。」知らない言語を母語とする現地の人と関わると、コミュニケーションに支障を来します。

でも、コミュニケーションは何も言語・文字だけではありません。手話でのコミュニケーションになると、障壁がグンと低くなり、支障の意味を成さなくなります。

手話は万国共通ではなく、言語同様「国変われば、手話も変わる」にもかかわらず。 目で見る言語「手話」は表情や眼差し、身振りや態度に雰囲気など「言葉以外のメッセージ」で伝え合います。

それゆえに、心の中の「思い」は「言葉のメッセージ」に表さなくとも、「言葉以外のメッセージ」を通じて相手や周りの人々に伝わっていきます。

そこに耳が聞こえない人達のコミュニケーションや、旅の楽しみ方があると思います。


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